まさか、高校に入ってすぐ告白されると思ってなかった。
ぶっしゃけ、北村先輩に告白されたとき、そう思った。
「っはよー、琉生」
「はよ、志恩」
小学校からの付き合いで腐れ縁の春川 志恩【ハルカワ シオン】に挨拶され、俺はすぐに挨拶を返した。
右耳にピアスをつけていて、髪色は明るい茶。
チャラい外見に、中身もお調子者。
それが志恩だ。
「琉生、数学のプリントやってきてあるよな!?」
「……見せねぇよ?」
「はぁ?なんでだよっ!!俺ら友達じゃん!!!」
志恩は俺の机をバンッと思い切り強く叩き、そう強く言い放つ。
友達だけど、それとこれは別。
俺は「見せねぇからな」ともう一度言って、志恩から視線を逸らした。