本当に大丈夫かな? 今日は過ごしやすい気温なのに。 やっぱり風邪でもひいたんじゃないのかな? 「あっ、そうだ俺、出さなきゃいけないプリントがあったんだ。 それじゃ衣緒さん、また」 「うん。またね、春川くん」 春川くんは急いでプリントを持って、教室を去っていった。 急ぎの用だったのかもしれない。 教室を出て行くときも、春川くんの頬は赤いままだった。 「……」 「琉生くん、どうしたの?」 琉生くんは意味深な視線を、春川くんの背中に送っていた。 春川くんに言いたいことでもあったのかな?