「夏休みが終わって、テストして……もう文化祭の時期じゃん」 「そうだねぇ」 桃葉が「時間が過ぎるのは早いなぁ」とポツリと呟く声すら届かないほど、私は「文化祭」という言葉に反応していた。 文化祭……。 琉生くんと回りたい!!!! 琉生くん、OKしてくれるかな? いや、ここは強引に無理にでも!! 「……衣緒?」 「えっ、な、なに!?」 「……わかりやすいなぁ、まったく」 桃葉はクスッと私の顔を見ながら笑った。 わかりやすい?……琉生くんのこと考えてたの、バレバレだったかな?