顔が真っ赤に染まっていく。 恥ずかしいを通り越して、そわそわする。 琉生くん、ずるい。 こんな不意打ちで手を握るとか、もう本当にずるい。反則だよ。 もっと、好きになっちゃうよ。 「もうはぐれないで、俺の近くにいてくださいよ?」 琉生くんは私の手を引っ張りながら、目を私に向けて、そう優しく言った。 琉生くんの声は、どこまでも優しくて温かくて 私の心を揺らし、虜にさせた。 「うん……」 琉生くんの言葉で、また体温が上がった。 私は恥ずかしがりながら、琉生くんの手を握る力を強めた。