「あ、え、えっと……
あ!す、すみません」
琉生くんは私のお礼にどう返していいかわからないまま戸惑って、私と今もずっと手を握っていたことに気づき、パッと手を放した。
少し顔が赤い琉生くん。
手、離さなくてもよかったのに。
むしろあのままで……。
「じゃ、じゃあ、屋台の方にまた行きますか」
琉生くんは首の後ろに手を回し、無愛想な表情で歩き出した。
琉生くんの隣で、琉生くんのそばで、夏祭りを楽しみたい。
ねぇ、琉生くん。
またはぐれたら、嫌だ。
だから、さ。
「さっきみたいに……」
「え?」
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