顔を上げると、やはり目の前には琉生くんの姿が。 「琉生くん……!!」 やっと会えた。 しかも、琉生くんが私を見つけてくれた。 「まったく、子供じゃないんですから、はぐれないでくださいよ」 「ご、ごめん……」 口調は少し厳しいけど、本当に心配してくれたことが伝わってくる。 ギュッと私は弱々しく、手を握った。 琉生くんの大きな手のひら。 私より高い体温。 全てを感じながら、私は微笑んだ。 「琉生くん、私を見つけてくれてありがとう」