琉生くんは、私がりんご飴が食べたいな…と思いながらりんご飴を売っている屋台を見ていることに気づいて、
『ちょっと待っててください』とだけ言って、琉生くんは買ってきてくれたんだ。
なんかこういうの、本当のカレカノみたい……。
照れくさくて、恥ずかしくて、嬉しくて。
私は頬をりんごのように赤く染めながら、りんご飴を頬張った。
りんご飴の甘さが、喉に残る。
「琉生くんは何か食べないの?」
「あー……じゃあ、たこ焼きでも食べよっかな……」
私が尋ねると、琉生くんはボソッとそう呟いた。
たこ焼きかぁ。
屋台、さっきどこかで見たんだよね。
私はキョロキョロと辺りにたこ焼き屋がないか見渡しながら歩いていると、――ドン!と前から歩いてきた人の肩と私の肩がぶつかった。



