学校の近くにある神社に着くと、もう人でいっぱいだった。 祭りの音、賑やかさ。 暗闇にいくつも光を灯しているみたい。 「琉生くん、行こ!!」 私は琉生くんより前へ出て、顔だけ振り返りそう言った。 自然と高まっていく気持ち。 琉生くんと夏祭りを楽しみたい。 その思いが、心を占めていく。 「――はい、どうぞ」 「ありがとう、琉生くん。お金……」 「いいっすよ、金なんて。ここは俺に払わせてください」 先ほど琉生くんが買ってきてくれたりんご飴。 私はそれを受け取り、渋々頷いた。