「琉生くん!」 「遅れてすみません」 「遅れてないよ、全然」 時刻はちょうど7時。 遅刻なんてしてないのに。 「今日は先輩より早く来ようとしたんすけど……」 え?それって…… 勉強会の時のことを、思い出して? それで今回は、私より早く来ようとしてくれたの? そう思ってくれていたことが嬉しくて、瞳が潤む。 泣くほど嬉しいなんて。 それほど私、琉生くんのことが、好きなんだ……。 でも、涙は流さずにこらえた。