「な、なんで?」 私の頭は混乱気味で、ハテナばかり浮かんでいた。 断られると思ってたのに。 どうして……。 「気分っすよ、気分」 気分、か……。 琉生くんの適当な答えに、私はなぜか妙に納得してしまった。 ホッと肩を下ろす。 ずっと緊張して、ドキドキしっぱなしだったから、安心した。 琉生くんと、夏祭り。 きっとこうやってデートできるのは、最初で最後なんだろうなぁ。 また思い出が増えていく。 心のアルバムに入りきらないくらいの、溢れそうなほどの宝物。