琉生くんは、ちゃんと“私”を見てくれていたんだね。
見てくれていたからこそ、「先輩らしくない」って言ってくれたんだよね?
「そんなことないよ。元気元気っ」
私は笑顔を作って、そう言った。
大丈夫。
私らしくいなきゃ。
消極的な私に戻るのなんて、嫌だから。
琉生くんに出会う前は、一歩後ろに下がって周りを見ているような消極的な人間だった。
後ろから見守って、自分からはあんまりしない。
そんな性格だった。
でも、琉生くんに出会ってからは変わった。
琉生くんを好きになって、今まで見ていた世界が変わったの。



