愛言葉







驚いた表情をしている琉生くんがいた。



教室を出ようとした琉生くんと、教室を開けた私。


タイミングがずれていれば、すれ違いになってた。




なんて運がいいんだ、私は!


いや、これは運命としか………って、今はそんなことより。







「北村先輩、何か用すか?」




琉生くんは教室の出入り口を塞がれては迷惑だから、と


廊下の窓側に寄り、そう尋ねた。







「あのね、もうすぐこの近くで夏祭りがあるんだって!」




「あー、そうみたいっすね」





「でね!!私、琉生くんと……」






「夏祭りを一緒に行きたい、って言いたいんすね」