志恩の存在は嬉しかったが、俺はそれ以来“信頼”が怖くなっていった。
裏切り、妬み、僻み。
黒い感情が怖くて、嫌で、めんどくさくて。
いつの間にか、笑顔は消えていった。
表情も次第に消えていった。
愛想のない表情に、なってしまっていった。
自分が友達だと思っていた相手が、いつの間にか友達じゃなくなっている。
そんな風になるのが嫌で、苦しくて。
俺は自ら友達を作ることをやめた。
高校に入ってからも、あまり友達を作らなくなった。
自分が信じた奴のみを信じる。
北村先輩のことも、最初は信じていなかった。
きっとこの人もいつか俺を嫌いになる。…そう思い込んでいた。



