――あれは、俺がまだ小学五年だった頃。




当時は今みたいに無愛想でも冷たい奴でもなく、普通の小学生だった。


よく笑い、よく遊び。




友達もたくさんいた。






『おっはよー、琉生!』



『はよー、志恩!』





その頃から志恩とは仲がよかった。





授業はめんどくさかったけど、友達と遊ぶことは楽しかった。








『琉生、志恩!グラウンドでサッカーしようぜっ』







クラスメイトで友達の荻 翔太【オギ ショウタ】にそう誘われ、俺と志恩はすぐに頷いて、グラウンドへ出た。



毎日、泥まみれになるほど遊んだ。