「わ、わざわざ作って、受け取らないわけにもいかないんで」
「琉生くん、ありがとう!!」
「い、一応、お礼だけは……、あ、ありがとうございます」
先にお礼を言われて言おうか迷ったが、俺は目をそらしながらもそう伝えた。
言わなければいけない、そう思ったんだ。
チラリと横目で先輩を見ると、彼女は嬉しそうに目を細めていた。
今までで一番、キラキラしていた笑顔だった。
――ドキッ
……ん?なんだ、今のは。
「それじゃあ、琉生くん。またあとでね~」
北村先輩はそう言って手を振りながら、俺の前から去っていった。
忙しい人だな……。
俺は先輩の姿が見えなくなるまで、無表情のまま立っていた。



