空の澄んだ青色に目を奪われながら、俺はグラウンドへ向かった。
「琉生!どこ行ってたんだよ」
グラウンドに着くと、真っ先に声をかけてきたのは志恩だった。
「もうすぐ綱引き始まんぞ」
「悪ぃ、ちょっと野暮用済ませてた」
「野暮用?」
志恩は「なんだそれ」と呟き、その“野暮用”を気にしてはいたが
俺の聞かれたくないという気持ちを察してくれたのか、なにも聞いては来なかった。
ただ、「ふーん」と興味なさそうに言っただけ。
本当は気になってるくせに。
ありがとな、志恩。
「綱引きって、お前も出んの?」
「出る出る。衣緒さん応援してくんねぇかな~」
キョロキョロと周りを見ながら、口元を緩めて先輩の姿を探す志恩。
……「衣緒さん」、か。



