いつもと違う先輩の声。 甘えたような、少し高い声。 いつもと違う雰囲気に、心臓はうるさく高鳴る。 「好きぃ……」 「っ!」 えへへ、と目尻を下げて微笑む北村先輩。 俺の顔は赤くなって、俺は方手でその真っ赤な顔を隠す。 まるで俺より年下のような、妹のような、猫のような…。 可愛い……。 「北村、先輩……」 俺は自分の芽生え始めている気持ちに気づかぬ振りを続け、先輩の柔らかな茶色い髪をすくうように撫でた。