先輩が倒れていることに。 ――バタバタッ! 足音が聞こえ、ハッと我に返った。 『静野くん!衣緒、いた?』 息を荒くしながら肩で呼吸している先輩の友人が、俺に声をかけた。 『あ、はい。いました』 『どこ!?』 どこって玄関に……。 チラッと目を先輩のいる生徒玄関に向けると、先輩が倒れていた。 『琉生くん……』 先輩が俺の名前を囁いている声が聞こえた。 『北村先輩!!!』