先輩の友人の表情は、心配している、ただそれだけのものではなかった。
青ざめた顔。
何か悪いことでも起こることを予想しているような、そんな顔。
俺はそのことを察して、少しばかり恐れていた。
けど、俺自身、先輩がいないって聞いて不安になった。
自分でもよくわからないが、探さなくちゃって思ったんだ。
まるで、本能的に。
そして、玄関に探しに行くと、すぐに先輩の姿を見つけた。
けれど、先輩の目の前にはまだ一年の女子が3人ほどいた。
その女子は、同じクラスのやつだった。
今入ってはいけない気がした俺は、気配を消すように隠れた。
生徒玄関から聞こえる声に、耳を傾けながら。



