毎日告白してくる変な先輩……だったのに。 最近は、少し変わってる気がする。 そう、“気がする”だけ。 「ん……」 スースー寝息を立てている北村衣緒先輩。 俺の手を握りながら、眠りに入ってしまった。 ギュッと握られている手のひらに、少しだけ恥ずかしさを覚える。 小さくて弱々しい先輩の手。 そこから伝わってくるのは、優しげな温もり。 「……バカだな、先輩は」 サラッと、北村先輩の目元にかかっている前髪を指先で撫でる。