琉生くんは柔らかく微笑みながら、少しだけ手を握り返してくれた。


本当に少しだけ。

わかりづらい程度の弱さだけど、確かに握り返してくれた。






「琉生くん、私のことわかってるね」




「そりゃあ、毎日会ってるんだから、分かるに決まってるじゃないっすか」




「もっと私のこと知ってほしいな」


「めんどいんで嫌っす」



「えー!!」






琉生くんの言葉が嬉しくて、私はさらに強く琉生くんの手を握った。


琉生くんの言葉を聞いただけで、一気に吹き飛んでしまった不安。





好きって、恋って、すごい。


こんなにも簡単に、臆病だった自分が消えてしまうんだね。






「琉生くん、だーいすきっ」


「はいはい」