誰……? どんどん近づいてくる足音。 大きくなっていくその音に、私は必死に意識が途切れるのをこらえた。 気づいて。 私がここにいることに。 助けて……! 「北村先輩!!!」 ――聞こえてきたのは、大好きな人の声。 会いたかった人の声。 「琉生くん……」 涙目になってしまった視界は、さらに歪んでいる。 「大丈夫っすか!?」 私が倒れている状況に慌てながら、私にそう尋ねる。