生徒玄関に行き、靴を履き替えていると。 「ちょっといいですか?」 「……私?」 「はい、そうです」 1年生らしき女の子が声をかけてきた。 接点もない見知らぬ子が三人も。 その子たちは全員青のハチマキをしていた。 ……琉生くんと同じクラスの子、かな? 「衣緒、何かしたの?」 コソッと、隣にいた桃葉が私の耳元に口を寄せて、小声で言った。 私は黙って首を横に振る。 そんな覚えない。 私に用って、一体なんだろう。