お弁当を全て食べ終わった時。
「そろそろ時間だね。グラウンドに行こう」
桃葉がそう言いながら、立ち上がった。
「もう?早いな」
「あー、外行きたくないなぁ」
日焼け止めクリームを塗り直して、ハチマキを巻き直して、私と桃葉は教室を出た。
琉生くんはあと、なんの競技に出るのかな。
あっ、そういえばまだ、琉生くんに「好き」って言ってない!!
体育祭が終わるまでに言わなきゃ。
借り物競争の時に言っておけばよかったけど、まあいいか。
また琉生くんに会えるチャンスだしね。
ふふっ。
また会えるってわかっただけで、笑っちゃう。
太陽の日差しなんて、琉生くんに会えるなら眩しさなんてへっちゃら。
恋の魔法は、日差しなんかよりずっと強いんだから。



