赤チームの応援席に戻ると、桃葉が「おめでとう」と言ってタオルを渡してくれた。 その時ちょうど、ピストルが鳴り響いた。 春川くんが出る番のようだ。 「すごかったね、衣緒」 「えへへー」 「お題、『好きな人』だった?」 「なんでわかったの!?」 「静野琉生を呼んだ時点でなんとなくね」 さすが桃葉。 エスパー級に私のことを理解していらっしゃる。 「体調は、大丈夫なの?」 桃葉は眉を下げながら聞いてきた。 「大丈夫だよ」