やっぱり琉生くんは優しい。 迷惑に思っても、私と一緒に走ってくれた。 「琉生くん」 「はい?」 「大好………」 琉生くんのこと、もっと好きになった。 優しさに触れて、前よりももっと。 毎日伝えている想いを言葉にしようとした瞬間だった。 ――クラッ…… あれ? 突然襲ってきた小さな目眩に、私は思わずこめかみを抑える。 暑さにでもやられたかな? 少しだけクラクラする。 おかしいな。 今日は元気のはずなのに。