体育祭がついに始まった。



最初の種目は、100メートル走。






「あ!!いた」



「静野琉生?」



「うん!」




まさか最初の種目から出るなんて。


さすがだな、琉生くん。





ピストルが鳴り響いたと同時に、風のように走っていく琉生くん。



青のハチマキがすごく似合ってる。







――パシャッ



一瞬一瞬を忘れないように。

私は重く指先を動かし、シャッターを切った。





写真を撮るたび、思い出が高く積み重なっていくようで、嬉しくなる。


一生忘れないように、私はまた写真を撮った。