俺のために、と思って。 でもそうしたら、衣緒さんは悲しんでしまう。 泣いてしまうかもしれない。 だから言わない。 これはお前のためじゃない。 あくまで衣緒さんのためだ。 「琉生、アイス奢って?」 「嫌だ」 「ケチだなぁ、琉生は」 「自分で買え」 「今月、俺金欠なんだよ~!頼むっ」 「い・や・だ」 ……本当にこの恋が“失恋”になってしまう時まで、この感情と付き合っていきますか。 しょうがねぇから、な。