「それは無理だよ」 「……」 「明日もちゃーんと『好き』って言うからね」 「はぁ。相当暇なんすね」 「へへっ」 暇じゃなくても、忙しくても 琉生くんに「好き」って言うからね。 琉生くんは、私に何を言っても無駄だということがわかったのか、さらに重いため息をついた。 私はそんな琉生くんを見て、笑顔を向けた。 ――キーンコーンカーンコーン 「あっ、戻らなきゃ」 予鈴が聞こえ、私は「じゃあね、琉生くん」と大きく手を振りながら自分の教室へと戻った。