「青なんだー。じゃあ私、琉生くんのことだけは応援するね!」
「敵チームなのに?」
「青チームじゃなくて、琉生くんを応援するからいいのっ」
傍から見たらまるで恋人のような雰囲気を醸し出している二人。
そんな琉生と衣緒さんを見ていると、ムカッとしてくる。
正体不明のモヤモヤが胸の中でざわめていて、思わず表情が歪んでいく。
「衣緒さーん、俺のことは応援してくれないんすか?」
俺は半ば強引に二人の会話に参加する。
琉生の肩に手を回して、衣緒さんの真正面に立つ。
衣緒さんの瞳が、俺の方に向く。
ただそれだけで、心臓が跳ねる。
初めての感覚に、気持ちに、
さっきから慣れなくて、戸惑っている。



