「琉生くんのことを一生好きでいる自信があるから、ね」
そう小さな声で呟いた衣緒さんの表情は、ひどく辛そうで、俺は目を見開いた。
どうしてそんな表情をするんだろう。
俺は何か変なことを言ったのか?
何もわからない。何も知らない。
だからこそ余計に、気になってしまう。
目を伏せて苦しそうに下唇を噛み締める衣緒さんの姿に、俺の胸はギューッと締め付けられていく。
衣緒さんに、こんな姿をさせるつもりなんてなかったのに。
後悔の気持ちが、心に押し寄せてくる。
ああ、吹いている風が残酷なほど冷たい。
――キキィ…
すると、静かに屋上の扉が開いた。



