短編集

はあっ...はぁっ...はぁっ......


響く心臓の音と脳内にこびりつく堀井の顔のせいで、まともに息もできない。


堀井はいつだって淡々としていて。

相手のことをこんなに優しく見る顔があるなんて知らなかった。


声を聞くだけで、顔を見るだけで、仕草でさえも私の心臓をえぐるのだ。


ずっと遠くから眺めていただけだったのに。

私の気も知らずに話しかけて、無自覚な笑顔で私を困らせる。

いじわるで、ほんとにむかつくやつなのに。

こんなに優しい顔を知ってしまったら私はもう。。






逃げられない。