次に優人が話し出した。
「俺は…知っての通り凄く裕福な家庭に引き取られた。
けど、父親と母親は仕事ばかりで俺の相手の世話をしてくれていたのはいつも家政婦の麻由子。
そんな俺はいつも…寂しい思いをしながら過ごしてた。
参観日にはみんなの親は来ているのに俺の親はいつも仕事で来たことなんてない。
その代わり沢山のおもちゃを買い与えてくれた。
でも俺はそんなのちっとも嬉しくなかった…
いくら沢山のおもちゃを買って貰っても、いくら家政婦の麻由子が遊んでくれても、俺は…父さんや母さんと遊びたかった。
食事も一緒に食べたかった。
どんなに麻由子が美味しい料理を作ってくれても、1人で食べる食事は味がしない。
そんな生活から、前田は俺を救ってくれたんだよ」
今まで私に見せてきた笑顔の裏にはこんな事実が隠されていたことに戸惑ってしまう。



