「白にはもう
飽き飽きよ」




世話係りは
申し訳なさそうに
オドオドと言った。



「お言葉ですが
庭には白の薔薇
しかありません…」



「また白なの…!!
どうして、どうして」




この国に赤い花が
ないの……!?




「申し訳
ありません。

我々も探しては
いるんですが

オレンジ色は
あっても真紅の
花はなかなか…」




駄目ダメダメダメだめ



赤がいい



赤じゃないと
つまらない





「でも去年は
真っ赤な薔薇
だったでしょう?」



にっこりと笑う。



そうよ去年は……



世話係りの人の
顔は真っ青だ。