side賢一
病院からというか、総一郎から電話がかかってきたのは、3限の時間。
あみのことが心配で仕方なかったが、病院にいるからってできることもない俺たちは、とりあえず学校に行って病院からの電話を待っていた。
「もしもし、賢一、俺だけど。」
もしかして、あみになにかあったのか⁉︎
「あみに何かあったのか!?」
総一郎の言葉を待たずに聞いた。
「落ち着け。あみちゃんは大丈夫だ。目が覚めて今は飯食ってる。」
「目、覚めたのか!?じゃあ今からそっちに向かう。」
「今来ても会えるのは17時くらいになるぞ。」
「なんでだよ!?」
「検査に診察、体力が落ちてるからそれなりに時間がかかる。目が覚めたからってすぐに回復するわけじゃない。多少休ませてあげないとな。」
確かに、それもそうだな。
早く会いてえのに。
「まあ、適当にサボって時間つぶしてろ。あっ、あとお前に頼みがあんだけど。お前ってより、お前の親父さんにって言った方がいいな。」
「なんだよ、親父に頼みごとって。」
「あみちゃんのために、お前には得になることだ。」
ずいぶん楽しそうに話す総一郎。
だが内容を聞いて、俺もその理由がすぐに分かった。