幸せの先






タブレットに打ち込んで先生に見せると、先生は眉間に皺をよせてすごく怖い顔をしていた。




「その後、通院はしていないの?」




“あの人たちは、私のためにお金なんて出してくれませんよ”



そう言って、自笑気味に私は笑った。




あの人たちが私のためになにかをするなんてあり得ない。


まして、私のためにお金を出すなんてもっての他だろう。




「今でもお父さんからは…」





“ほぼ毎日です”



げんにこの間だって、あの人の性欲解消に使われた。



あの人もお金がかからない、良い道具を見つけたもんだ。




もう自分のことではないような感覚だ。




昨日の夜の自分と、今の自分は違う人間なんじゃないかと思う。




思うというより、思い込ませないと生きていけない。




あんな汚ったない人に毎日のように抱かれているなんて、どうしても認めたくない。