幸せの先






“母親じゃなくて、父親に殴られた痕です”



そう打って先生に見せると、「そっか。」と言って、次の質問に移った。




「いつ頃からから虐待を受けていたの?」





“引き取られてすぐ”





最初は本当些細なことからだった。




私はもともとあまり口数が多いタイプではなかった。



引き取られた直後は、両親も亡くなっていたこともあって、前よりも人と話したくなっていた。





そんな私の態度にあの人たちは腹が立ったらしく、父親は力で、母親は言葉で私に何かと攻撃するようになった。





しだいにエスカレートしていき、何か気に触ることをすると殴られるようになっていった。





今では、機嫌が悪いとサンドバッグの代わりのように、私に暴力をふるうようになっていた。