幸せの先












「ご飯はちゃんと食べたって聞いたから安心したよ。体の方はもう大丈夫そうだね。」





先生の言葉にうなずくと、「そうだな・・・。」と先生は次の言葉に悩んでいた。






「もしかしたら、今から僕が質問することはあみちゃんが答えたくない内容かもしれない。それでも、僕は医者として聞かなきゃいけないことだから、正直に事実を話してほしい。」




嫌だと拒否できないような言い方をされてしまった私は何も言わなかった。





「ここに時間がかかってもいいから、なるべく僕がしていく質問に詳しく答えて行って。」





そう言って渡されたのは、小さめのタブレットで、自由に書いていけるメモのアプリが開いてあった。






私はうなずいて、タブレットを受け取った。




「まず一つ目の質問は、あみちゃんは失声症を患った理由聞きたいんだ。」






私はいつも同じ質問をされるときに答えている答えを、タブレットに打ち込んだ。





”父親と母親が亡くなって、そのショックで話せなくなりました。”





「じゃあ、今どこかの病院に通院している?」





”していません。”






「なんでしてないのかな? 病院の先生から通院するように言われていないの?」






”いえ、言われてました。でも今の両親から、通わなくてもいいんじゃないかって言われたので。”






「そっか。じゃあ、話は変わるんだけど






あみちゃんのその体の傷はなんでできた傷なのかな?」