幸せの先












今気づいたが、どうやらここは大きな病院のようだ。




前に行っていた病院と少し似ている。





エレベーターで1階に下りて診察室の並ぶ廊下を歩いていくと、その中の一つの部屋の前で看護婦さんは足を止めた。




トン、トン。



「先生、山内さんをお連れしました。」




そう看護婦さんが言うと中から、「どうぞ。」という声が返ってきた。






「中に飯田先生が待っているから!
とりあえず中に入って先生とおしゃべりして‼︎
終わったらまた迎えにくるから!
それじゃあまた後でね〜!」






そういって手を振ると、看護婦さんはどこかに行ってしまった。




なんか不思議な人だな・・・。






嵐の去ると、あたりはしんと静まり返るものだ。



まさに今その状態。






とりあえず中に入ろう。





私がドアを開けると、飯田先生は椅子に座って私が入ってくるのを待っていた。





「どうぞ。」





そう言って目の前の椅子をすすめられた。






私は頭を下げて、すすめられるままに飯田先生の方を向いて座った。