ビービー、ビービー。


ケータイの目覚ましで起きた、朝6:30。

ほとんど寝られていないけど、ここで起きないとあの人にまた小言を言われる。

すぐに高校の制服に着替え、支度を済ませるとキッチンへと向かった。

まだ誰も起きていないこの時間が、この家にいる時一番自由にできる時間帯だ。

あと30分もすれば、色々と面倒な人たちが降りてきてしまう。

もし寝坊でもして、朝ごはんを出す時間が遅れると、義理の母親に小言を散々言われてしまう。
そして、それを嬉しそうに見てくる、私の2個下で高校1年の、この家長男のあの憎たらしい顔が目に見える。

それよりも面倒なのが、義理の父親で昨日の夜私の部屋にいた、あの気持ち悪い男だ。

私のことは、容赦なく殴る蹴るをしてくる。

そんなことになったら、夜は性処理の道具として、昼間はサンドバッグとなり、私の体はぼろぼろになってしまう。

夜は避けられないが、昼間はなんとかして避けないといけない。


毎日死ぬ気で起きて、いち早く家を出て、帰りも皆んなが寝静まった頃に帰り、あの男のいいなりに数時間耐える毎日を送っている。

今日も変わらず、朝ごはんを3人分作り、食卓に並べて家を出た。

私は基本朝ごはんを食べないから、家の人たちの分を作ったら、大体家を出て高校に向かう。

誰も起きてこないうちに家を出るのが、その日の行く末を決める。