幸せの先







私が頷くと、あの後何があったのか詳しく、たんたんと説明をしてくれた。





継母が来たことも、賢一さんたちに酷いことを言ったことも。




出会ったばかりなのに、とても迷惑をかけてしまったのだと思うと申し訳なくて、会うのが怖くなった。





「とりあえず、賢一たちには学校行かせてるけど、放課後になったら来ると思うから。目覚ましたって連絡したら、すっ飛んできそうだからしないでおくわ。」




お礼を言わなくてはと思ったのだが、声は出せないし、ケータイがどこにあるのかわからない今、頭を下げるしかできない自分のこの体が本当に嫌になった。





「気にしないでいいから。



あと、あとで診察室に来てほしいんだけどいいかな?


まだ起きたばっかりだし、なにか食べてからでかまわないから、これそうになったらナースに伝えて。」



うなずくと、「それじゃあ、またあとで。」と言って、飯田先生は病室から出て行った。