部屋に戻ると、さっきまで隣で寝ていた気持ち悪い男が起きて、着替えをしているところだった。


「あみ、夜中にシャワーなんて浴びたら、お母さんが起きちゃうだろ。」


そう言って男は私に手を伸ばしてきた。

私はそれを避け、洗面用具を机に置いた。

あんな汚い手で触られたら、またお風呂に入り直さないといけなくなったしまう。

相手を見ずに私は頭を下げると、男はため息をついてズボンのチャックを上げた。


「あみ、明日はお父さん仕事だから遊んであげられないけど、明後日は早く帰ってくるから、いい子にして待ってるんだよ。」


そう言った男は、ドレッサーの鏡越しに私に気持ち悪い笑みを残して、部屋から出て行った。