Side 賢一
なにか考えているかと思ったら、急に泣き出したあみ。
本人は自分が泣いていることがわかっていない様子。
「あみ!?」
名前を呼ぶと顔をあげたが、心ここにあらずといった様子で、感情がない顔をしていた。
まずいぞ、これは。
おれは目の前にある机をどけ、あみの前にしゃがみ手を取ったが、全く反応がない。
「どうした!?何があった?」
そう聞いてもやはり反応がない。
どうなっている、一体何がこいつのスイッチとなったんだ?
正樹たちもあみの様子に異変を感じ、声をかけるが全くダメだ。
徐々に、あみの手の力が抜けていくのを感じた。
「おい!?あみ!!しっかりしろ!」
そう言うとあみは誰に言うでもなく
”たすけて”
と口が動いたと思った、次の瞬間に意識失った。

