初めて言われたその言葉に、戸惑いを覚えた。なんと返していいのかわからなかった。
嬉しいけど、信じていいのかという不安もあって。
今自分がどうしたらいいのか。
期待はしないと決めている。
裏切られたとき、自分の無力さに死にたくなるから。
少しでも死からは遠ざかっておかないと、自分を止めることができなくなってしまうから。
でも、彼らのことは信じていたい。
いや、彼らでなくても、この生活から引っ張り出してくれる人なら誰でもいいのかもしれない。
「あみ!?」
私はいつの間にか泣いていた。
賢一さんが机をどけて、私の前にしゃがんだ。
「どうした!?なにがあった?」
私はただ首を横に振るしかできなかった。
久しぶりに泣いたら、疲れがドッと溢れてきた。
何か賢一さんが言っているのが聞こえるが、だんだん声がはっきり聞こえなくなってきた。
震えていた手を賢一さんに握られた瞬間、暖かさとともに私の意識は途絶えた。
こんな生活から抜け出したい。
お願い、誰かお父さんとお母さんを還して。
誰か・・・・・
たすけて。
side あみend

