「こんなところかな。あみちゃん、覚えられた?」


木暮さんにそう聞かれて、一応頷いた。


「そっか!よかった、よかった‼︎何かあったら俺たちのところにおいでね。助けにいくから!」


助けるとか以前に、私は人と関わらないから助けてもらう機会はないと思うんだけどなあ。


「それが、その必要がなさそうなんだ。」


私にかけられた言葉に、なぜか賢一さんが答えた。


「どういうこと?」


龍矢さんがなぜかとっても興味を示している様子。


「どうやら認められたみたいだ。外見と中身の良さが瞬間でわかったみたいだ。油断は出来ないが、多分大丈夫だろ。」


そう言って賢一さんは私に笑いかけてきたので、私もわからないけど誤魔化して笑ってみる。

みんな「ああ〜。」と何かを納得したようだった。


「まあとりあえず、今日からちょくちょくここに遊びに来るね。」


と正樹さんは言った。


なんの話なのか全く分からずに進んでいってしまった。


うーむ。そしてこの人たち授業には出ない、いわゆる不良だな。


「いやか?」


何も反応をしないと、賢一さんが心配そうに聞いてきた。


嫌ではない。むしろ嬉しい。


でもとても怖い。


いつか離れていってしまうんじゃないかと。

私のことを知ったら、嫌われるんじゃないかと。


私が悩んでいると、賢一は立ち上がり私の机の前で、私よりも少し下から目線を合わせるようにしてしゃがんだ。


「絶対、誰からも、お前を傷つけるやつから守るから。だから俺たちのこと信じてくれ。」