幸せの先


お友だちさんたちは全員で4人いらっしゃる。

みなさん賢一さんほどではないが、芸能人の人のような、顔立ちの整った人たちだ。

それぞれ個性豊かではある見た目だが。

私は一人一人のお顔を見てから賢一を見て、お名前は?と、口だけ動かして聞くと


「その前に、とりあえずお前の昼飯買いに行く方が優先だ。帰ってきてから紹介する。」


と言って、ドアに向かって歩きだしてしまった。

私は追いかけるべきなのかわからずその場に突っ立ったままでいると、茶髪のお兄さんに後ろから両肩を掴まれドアの方へ誘導するように押された。


「はやく買ってきて! そうしないと自己紹介できないから。」


そのお兄さんは、この教室に入っできた時からニコニコと笑っている。

賢一さんといいこのお兄さんといい、まったく表情が崩れない。

賢一さんのように怖いわけではないが、ちょっと不思議な感じだ。


私は振り返りペコっと頭を下げて、賢一さんのあとを追って、教室を出た。


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