幸せの先






「引き取った奴らの名前なんだったか、わかるか?」





「たしか山内って言ったな。そうだったよな、賢一。」





「ああ、今あみの名字は山内だから間違いない。」





「山内グループか。」





「山内って、確か神崎の表の取引先だよな?」




親父がそう言うと、頷く神崎のおっさん。




神崎も裏では組として機能しているが、表の社会でもIT関係や不動産などで大きなグループ会社を経営している。




その取引先に山内グループがあるらしい。


数秒考えた後におっさんは、俺と親父を見て言った。


「あみとの養子縁組を今すぐ切って、神崎の名前に戻してやりたい。」






意を決したようにそう言った神崎のおっさん。