「若、すみません事情は後で話すので、今すぐに納戸に、あみ様がー、はい、覚悟しております。わかりました。」

スーツの人の声が扉のそばから聞こえる。

嫌だ、誰にも会いたくない。
1人になりたいの。
震えが治らない

数分すると数人の足音が近づいてきた。

「若、組長っ‼︎」

「何があった?」

お父さんの声。
今の私にはその声ですら身体が震える。

嫌だ、怖い。

怖い、怖い。

「西の組長と話してたところに、あみ様がいらしてどこから聞いていたのかはわからないんですが、声がして逃げて行く足音がしてー」

「わかった。もういい。」