幸せの先

誰?
怖い人?
嫌いな人?
ううん。
この声は私の大好きな人。
でもあなたは誰?



「その事で、広間に行く前にお話があったんです。」



ここを曲がればきっと話している相手の顔が見られる。
思い出すかもしれない。
でも思い出したら私は私でいられるだろうか。


ここで姿を見せれば、話はそこでストップしてしまうだろう。
きっとこれから私の話をするんだ。
もう少し、あと少し話を聞いたら…!

「組長から伝言です。


姐さんが一緒にその女の子と風呂に入った時、その子の左腰に刺青があったそうです。」



「左腰…まさか⁉︎」




「そのまさかです。あなた達西の象徴ー」