幸せの先

"あったかった
怖い"

「そうか。これから毎日その暖かさをお前が感じてくれるようにしなきゃな。


だから逃げるな。最初はきっと慣れないと思う。怖いと感じるかもしれない。




でも、これが当たり前になる日がお前の幸せだ。



幸せは逃げてたら掴めないからな。」




涙がこぼれた。




でも嬉しくて、笑みがこぼれた。




賢一さんに微笑みかけると、暖かい笑みをくれた。




この人といたらダメだと感じたあの瞬間、





きっと自分が変わるのがわかっていたからなのかもしれない。





一瞬踏み入れたら、ここからは抜け出せない。



ここから抜け出す時は、自分が死を選んだ時だ。




心からのありがとうを、声に出して言えない事がもどかしくて、早く声に出して伝えたい。




"ありがとう"